術後12日目。
約1週間ぶりに病院へ。
貼りっぱなしだったテープを剥がしてもらう。黒いすじが入っているから、「マジックですか?」と聞いたら「キズです」キズなんだ…。
キズは真ん中あたりのくっつきが悪いみたいで、首をあまり動かさないようにと言われた。言われたそばから動かしたから叱られた。毎日目薬さしてるからな…寝っ転がってさそうかな。キズはやく治したいから気をつけよう。
病理検査の結果。がんはきれいにとれてるから大丈夫です、とのことだが、わたしのがんは硬かったらしい。どのくらい硬いのか程度がわからないからなんともいえない。できることなら触ってみたかった。ショックだったのはいっしょに郭清したリンパ節に小さいのがちらほらあった…!!!
ということは、患部にとどまらず、近くとはいえリンパ節までの転移能があった。術前にリンパをとるって聞いた時はえーーーと思ったけど取りすぎではなかった。いまのところ遠いところに転移がないからステージは1だけど、N1II期ということか。
念のため、心配だったがんの種類を聞いたら「乳頭がん」で間違いなく安心した。
声が術前と変わらずに出るのは良かった。のだが、口腔リハビリの先生に「左がわの喉が飲みこみずらい、よく噛む、少量ずつ飲み込む、下を向いて飲み込むなどで痛みは軽減するけど、まだ痛いです」と伝えた。まだしばらくは飲み込む時に右に首を傾げつつ、左をいたわるといいです、とのこと。
次回は1ヶ月後に嚥下機能のテストをする。2ヶ月後に血液検査と造影剤CTをとる予定になった。間があくので、もしキズの直りが悪い時は来てねとのことだった。
今日の診察料は生命保険会社の診断書は7700円もかかった…。保険料がおりたら取り戻せるけどちょっと痛い。
退院後、メンタルが不安定な時がある。
がんは手術でとってもらったけど、経過観察中はずっと「がん患者」なんだろうか、とか、再発したらどうなるんだろうとか、病気以外のことでも色々と嫌になってしまって、この間家で1人になった時に声を出して泣いた。
思い切り泣いたらスッキリしたけど、ときどきこのいやな落ち込んだ感情が出てくる。抑えたいと思っても、勝手に自然に出てくるときは仕方ない。そういうときはノートに気持ちを書き殴ったりブログを書くと少し落ち着く。
がんになって良かったことリストをつくってみよう、というベネフィットファインディングという作業 を知る。
辛いできごとの中でのいいところ探し。
- 辞めようと思ってた仕事を辞められた。
- 1週間病院とはいえゆっくりできた
- 時間は有限でいつかは死ぬんだと実感した
- 家族への引き継ぎリストをupdateした(もうちょっとしたい)
- 生きているうちにやりたいことをやろうと思った。
- 今までの生活はおおむね楽しく幸せだったと感じた
- あまり稼げないけど好きなことを仕事にしていて良かった
- 経過観察が長期にわかたるからいやでも健康に気をつかうようになる
- ごはんが食べられることは幸せ
- 口腔ケアに気を使うようになった
- 口腔がんではないと診断してもらえた
- 自分の葬儀をどうしようか、と考えるきっかけになった
- がんについて人ごとだと思わなくなった
- お酒を飲むのを控えるようになった
- こどもの成長がうれしい
そんなところだろうか?
あまりいいことないけど、全体的には視野がちょっとだけ広がったことだろうか…
明日からようやく仕事らしい仕事。
くびのキズをかくしやすいから打ち合わせが普通にZoomなのはたすかる。